岸田文雄前政調会長、自民党総裁に選出

Fumio Kishida wins LDP presidential election

9月29日、外務相、防衛相を歴任した岸田文雄前自民党政調会長が自民党総裁選を制し総裁に選出されました。10月4日を持って同氏は第100代内閣総理大臣に任命されます。

1回目の投票においては今回立候補した四名とも得票数において過半数には届かず、党員内で強い支持を誇る当選候補であった河野太郎氏(元外相・防衛相、現ワクチン対策担当相)にとっては最大のチャンスであっただけに残念な結果となりました。党員内では岸田氏より多くの票を得た河野氏ですが、所属の国会議員の票を多く得たのは岸田氏でした。もとより岸田氏は国会議員票の重みが増す第2会投票で有利になると見られていたため、第一回投票で(255票に対して256票という1票差であっても)他候補者を差し置いて最高得票数を記録するとは予想されていませんでした。

選挙は上位2人の決選投票となり、岸田氏が第2会投票で河野氏を257票対170票で大きな差をつけて勝利する結果となりました。

岸田氏が国会議員票の大半を集めることは予想されていましたが、河野氏のここまでの不振は想定されていませんでした。この結果にあたって、テレビ討論で期待通りの爪痕を残せなかった点や、党内における有力者の支持を取り付けられなかった点が指摘されています。支持を表明した小泉進次郎環境大臣は派閥からの支援は弱く、若手議員からもライバル意識を持たれており、支持を取り付けるには不十分でした。また、石破茂氏においても国民人気はあるものの、安倍晋三元首相と公然と対立した過去もあり党内の重役には好かれていません。さらに、菅義偉首相が辞任を表明して以来、自民党に対する国民の支持は着実に回復しており、人気のある河野氏に投票する必要性が薄れていたこともあります。

また、「破天荒」な河野氏が率いる政権の予測の難しさや、伝統的な自民党の政策や価値観から逸脱することをベテラン自民党員は恐れたとも見られています。 それに比べ、岸田氏は多くの問題で中道的な意見を持ち、継続性を確保できる安全な人選に見えたはずです。 自民党の若手議員の多くにとっても、岸田氏の勝利は個人的な起用の機会をより多く与えてくれるように思われたました。 河野氏のトップダウン・アプローチとは異なり、岸田氏は他者の意見に耳を傾ける合意形成者として知られています。 ベテラン議員も若手議員も岸田氏に結集し、岸田氏は予想されいていたよりもはるかに順調に勝利を収めました。

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